ペーパークラフトをフォトアルバムにアップしたのですが、どれがどれだか分かりにくいと思いますので、記事でまとめてみます。リンクをクリックするとそれぞれの車種のペーパークラフトのフォトアルバムに飛びます。
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:大型観光バス
・MS5/6系列観光バス B35型ボディ
1977年に10年ぶりのフルモデルチェンジで登場し、B35型と呼ばれる新世代のボディと新たにMSの型式がついたシャシーの組み合わせとなりました。
B35型のボディは正面、側面、後面ともに窓が大型化され、リベットも大幅に減少して角張ったイメージになりましたが、構造はモノコックのままです。
後面の窓はルーフラインまである大型の3枚連続窓になっています。「ブルドッグ」と呼ばれた路線バスと共通設計となっており、同車に本車種のフロントデザインを装着することも可能でした。

ボディバリエーションは従来型のB800/B900系列と同様の標準床とセミデッカーに加えて、屋根にドーム状の大きな出っ張りを付けて眺望性と外観のインパクトを向上させた上級仕様のパノラマデッカーと、本格的なハイデッカー構造の観光バスであるフルデッカが追加され、どちらも当初は斬新なデザインから当時流行のサロン仕様の高級観光バスにも大量に導入されてヒットしました。
パノラマデッカーには固定窓にした上にドア直後のドアを丸型や星形にした特注仕様も存在していました。
またさらに1980年には、ライバルの日野スケルトンRS・富士R5ハイデッカーといったスケルトン構造の新型車に対抗すべく、構造は同じながらフロントとリアのデザインを大きく変更したフルデッカIIと呼ばれるスケルトンバス風のモデルも追加されましたが、このB35型も1982年のエアロバス登場まで2年間並行して生産されていました。

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・MS512/513系 B35型ボディ
1977年の登場時のモデルで、三菱製ボディのみ新型のB35型ボディで呉羽製はまだ従来型のボディでした。
同時期のトラックであるFシリーズ・FKシリーズ・黄金キャンターと共通イメージの黒基調の直線的なフロントグリルが特徴ですが、事業者によっては全てメッキとする例もありました。
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・K-MS613/615系 B35型ボディ
1980年のマイナーチェンジで登場したモデルです。昭和54年排ガス規制に適合し、パノラマデッカーとフルデッカはより一体感のあるスマートなデザインに変更されました。
それぞれ独立していたパノラマデッカーのパノラマ部分やフルデッカーの前面の窓が一体化されたものに変更されています。また呉羽製も三菱製と共通のボディとなりました。

・フルデッカⅡ K-MS613/615系
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1980年に急遽登場したモデルで、基本的な構造は従来のB35型ボディと同じでありながら、フロントとリアのデザインをスケルトンバス風の角ばった近代的なデザインへと大きく変更しています。このため前後と中間ではやや段差があるのが特徴です(段差の無いモデルも最終期に作られました)。

これはライバルの日野スケルトンRS・富士R5ハイデッカーといった角ばったスケルトン構造の新型車に対抗すべく登場したもので、当時三菱ふそうは後に大ヒットするスケルトンバスのエアロバスがまだ開発中だったこともあり、それまでの場繋ぎ的なモデルとしての役割でした。
このため1982年にエアロバスが登場するまでの僅か2年間しか生産されておらずレアなモデルでもあります。また従来のB35型ボディも並行して同じ1982年まで生産されていました。

ただしこのフルデッカⅡはあくまでスケルトン"風"の車種であり、前後の構造のみをスケルトンバスらしいデザインに変更したのみで中身は従来のままであることから、構造的にはモノコックバス扱いのままです。
後に登場したエアロミディにも類似している傾斜した前面となっており、垂直の前面だったスケルトンRSとはまた違った雰囲気となっています。

しかし2年間という短期間でありながら、観光バス需要が旺盛かつ圧倒的なトップシェアを誇っていたのが三菱ふそうだったこともあり、その短期間のうちでも数多くの改良が行われており、当初は試作的要素が強くフロントのみの変更でリアはB35型ボディのままだったものが、すぐに前後共に同一のものに変わり、さらに1982年のモデルチェンジ直前の時期では本車種の特徴でもあった前後と中間の段差の無いモデルや、オプションで設定された角型ライトに変更されたモデルもありました。

またフルデッカの名前ではあるものの、このハイデッカー車と同様のデザインとした標準床車も設定されていました。さらに大型9m車のMMにも試作的要素が強いものですが1年だけ同様のデザインとした車両が存在していました。
*前期型
登場時のモデルです。まだ試作的要素が強くフロントのみが変更されており、リアは従来のB35型ボディのままです。1年も経たないうちに下記の中期型へと移行したため、生産台数は非常に少ないです。
*中期型
1980年の途中から変更された量産型とも言えるモデルです。フロントのみならずリアのデザインも段差がついた直線的な角ばったものに変更されました。
*最終型
1982年にエアロバスへの移行寸前でありながら追加で登場したモデルであり、本車種の特徴でもあった前後と中間の段差が無くなりました。また角型ライトがオプションで設定されるようになりました。上記の中期型とは最後まで並行して生産されています。

MS6系観光バス・富士重ボディ架装車
MS6系観光バスシャシーの富士15型R3/R2/R1ハイデッカー架装車です。この代までは富士重ボディでの架装例も比較的多くありましたが、エアロバスへのモデルチェンジ後は大きく減少しました。
*K-MS613/615系 富士15型ハイデッカー


・MS7系エアロバスMシリーズ(エアロバス/スーパーエアロ/エアロクイーンM/エアロクイーンMV/エアロクイーンW)
 
1982年に登場したMS7系初代エアロバスはエアロバスMシリーズとエアロバスKシリーズが存在し、三菱自動車製ボディのエアロバスMシリーズとなります。

なおこのシリーズにはエアロバスのみならず、スーパーエアロ/エアロクイーンM/エアロクイーンMV/エアロクイーンWを含みます。
車体はイタリア人デザイナー、アルド・セッサーノが基本デザインを手がけ、モノコックボディとスケルトンボディの長所を組み合わせた独自の工法“スーパー・コンプ・ストラクチャー”によって組み立てられたもので、先進的かつ流麗なスタイリングが好評を博し、従来は三菱車や三菱ボディを導入していなかったユーザーに至るまで導入されるなどバスとしては異例の大ヒット作となったのも特徴です。

エンジンは先代のMS6系観光バスから引き継ぎ、パワーアップした8DC8型と8DC9型を搭載しています。そしてさらに高出力を求めるユーザーに向けてターボ付きも設定されています。

まずはエアロバスMのみでスタートし、その後スーパーエアロ、エアロクイーンWが加わった後、1988年に大掛かりなマイナーチェンジを受けてスーパーエアロの廃止とエアロクイーンMの追加、およびフロントデザインの変更が行われました。
そして翌1989年にエアロクイーンMVが追加された後、1992年まで生産されました。 非常にバリエーションの数が多い車種ですが、主に88年のマイナーチェンジを境に分けることが出来ます。 
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*エアロバス/スーパーエアロ/エアロクイーンW 82モデル
登場時のモデルです。エアロバスについてはスタンダードデッカーとハイデッカーがあります。いち早く昭和58年排出ガス規制に適合しました。 その後1984年にスーパーエアロIが、1985年にスーパーエアロIIとエアロクイーンWが加わりました。

*エアロバス/エアロクイーンW 88モデル
1988年のマイナーチェンジで登場したモデルです。フロントデザインが若干変更されています。またABSが搭載されるようになりましたが、スーパーエアロについては廃止されています。
1990年には平成元年排ガス規制適合に伴うマイナーチェンジも行われていますが、外観の変化はありません。

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エアロクイーンM/エアロクイーンMV/クイーン顔モデル
エアロクイーンMは上記の1988年のマイナーチェンジで追加されたモデルです。パンダ顔と呼ばれると呼ばれる専用のフロントデザインが特徴で主に夜間高速バスや上級観光バス用に導入されていました。
なお既存のエアロバス/エアロクイーンWにもこれの顔に合わせたモデルが追加されましたが、そちらについては上記のモデルを参照ください。 
エアロクイーンMVは1989年に追加されたモデルで、フロントガラスが分割された低運転台仕様として用意され、主に豪華観光バス用として使われることが多かったです。
クイーン顔モデルは既存のエアロバスを上記のエアロクイーンMと同様の顔としてデザインを合わせた特装モデルとなっています。 こちらも1988年に登場しました。


・MS7系エアロバスKシリーズ(サンシャインデッカ/エアロバスK/エアロクイーンK/エアロクイーンKⅡ)

1982年に初代エアロバスはエアロバスMシリーズとエアロバスKシリーズが存在し、新呉羽製ボディのエアロバスKシリーズとなります。

なおこのシリーズにはエアロバスKのみならず、サンシャインデッカとエアロクイーンKを含みます。
同じエアロバスでありながら、三菱自動車製ボディの先進的なデザインとは異なり、前年に登場したエアロミディ観光型にも類似したオーソドックスなデザインが特徴で、これをサンシャインデッカ(現在制作中) と呼称します。こちらもスタンダードデッカーとハイデッカーがあります。

エアロクイーンKは2階建て観光バスのエアロキングに類似した低運転台仕様のスーパーハイデッカーのボディが特徴で、主に豪華観光バス用として導入されるケースが多かったモデルです。
エアロクイーンKⅡはエアロクイーンKと見分けがつきにくいものの標準のエアロキングと比べて全高が低くハイデッカーとスーパーハイデッカーの中間とも言うべき廉価モデルとなっています。

エアロバスKはエアロミディのフルモデルチェンジに合わせて、従来のサンシャインデッカに取って代わるべく登場したモデルですが、中型車と類似したデザインが好まれなかったこともあり、不人気であまり普及しなかった希少車となっています。こちらもスタンダードデッカーとハイデッカーがあります。

・サンシャインデッカ

1982年に登場し、1988年まで生産されました。
再び呉羽独自のデザインとなり、三菱自動車製のエアロバスMと比べてフルデッカⅡのキープコンセプトかつオーソドックスで無難なデザインが特徴で、スタンダードデッカーとハイデッカー、そして呉羽独自の後部がせり上がったパラマウントデッカがあります。いち早く昭和58年排出ガス規制に適合しました。

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*エアロクイーンK 85モデル
*エアロクイーンK 88モデル
*エアロクイーンK 90モデル

1985年に追加された低運転台仕様のスーパーハイデッカーのモデルで、エアロキングを2階のみとしたスーパーハイデッカー、というのをコンセプトに開発され、1992年まで生産されました。
85年の登場時のモデルと88年のマイナーチェンジモデル・90年のマイナーチェンジモデルが存在し、それぞれ85モデル、88モデル、90モデルとしています。

*エアロクイーンKⅡ 85モデル
*エアロクイーンKⅡ 88モデル
*エアロクイーンKⅡ 90モデル
エアロクイーンKⅡは見分けがつきにくいものの標準のエアロキングと比べて全高が低くハイデッカーとスーパーハイデッカーの中間とも言うべき廉価モデルとなっています。
85年の登場時のモデルと88年のマイナーチェンジモデル・90年のマイナーチェンジモデルが存在し、それぞれ85モデル、88モデル、90モデルとしています。

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*エアロバスK
1988年にそれまでのサンシャインデッカに入れ替わる形で登場しました。同じ年にフルモデルチェンジしたエアロミディと共通のデザインですが、大型車でありながら小さく見えるという点で不評でした。こちらも1992年まで生産されました。

*MS7系エアロバス・富士重ボディ架装車
*富士15型ハイデッカーボディ
ヘッドライトは純正ボディと共通の角型2灯ライトとなっています。
*富士HD-Ⅰボディ/HD-IIボディ
他社と異なりハイデッカーのみの設定でスーパーハイデッカーの設定はありません。ヘッドライトは純正ボディと共通の角型2灯ライトとなっています。


・MS8系エアロバス/エアロクイーン
1992年に10年ぶりのフルモデルチェンジで登場し、2007年まで生産されました。
2代目となるモデルで、初代で分かれていた三菱自動車製ボディと新呉羽製ボディの設計が統一されました。
エアロバスにはハイデッカーとスタンダードデッカー(2000年廃止)が存在しています。なおスタンダードデッカーには角目ライトのモデルがあります(こちらも2000年廃止)。
エアロクイーンにはフロント1枚ガラスのエアロクィーンI、低運転台仕様のエアロクィーンII、床下運転台(UFC)構造のエアロクィーンIIIの3種類があります。
またエアロバスには大型9m車のエアロバスMMも新たに設定され、ハイデッカーとスタンダードデッカーの両方があります。これまで三菱ふそうの大型9mは中型バスの全幅を拡大したものでしたが、このモデルチェンジでようやく他社同様の大型バスの全長を縮めたものになりました。
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*92モデル

1992年のデビュー当初のモデルです。登場時のキャッチコピーは「バス・ルネッサンス」というものでした。
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*95モデル
1995年に平成6年排出ガス規制に適合し、マイナーチェンジされた際のモデルでフロントバンパーのデザインが一新されています。 その後2000年にもマイナーチェンジが行われますが、外観の変更点はなく2004年まで生産されました。
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*04モデル
2004年にマイナーチェンジした際のモデルで、エンジンがそれまでのV8から直6ターボにダウンサイジングされ、灯火器保安基準適合のためテール周りが変更されています。 またラインナップの整理が行われ、UFC仕様のエアロクイーンⅢ、スタンダードデッカー、短尺仕様については廃止されました。

・MS9系エアロエース/エアロクイーン
2007年に15年ぶりのフルモデルチェンジで登場しました。
三菱ふそうらしさを表現「ファミリーアイデンティティ」、飽きのこないデザイン「エバーグリーン」、情緒的で存在感あるイメージも込められた「クール&エモーション」、使いやすさを追求「ユニバーサルデザイン」の4つのコンセプトを元に開発されています。

今回のモデルチェンジで、ハイデッカー車の名称は従来型のエアロバスからエアロエースに変更されました。
ハイデッカーのエアロエースとスーパーハイデッカーのエアロクイーンでは全高のみならずフロントデザインも異なっており、エアロクイーンにはシルバーのアクセントラインが入ります。
冷房装置はサブエンジン式冷房と新たに直結式冷房が設定され、エアロクイーンでは全高の拡大を避けるべくサブエンジン式のみであり、エアロエースでのみ両方を選択することが出来ます。

日産ディーゼル→UDトラックス向けにもスペースウイングA/スペースアローAとしてOEM供給されましたが同車のバス事業撤退に伴い僅か3年後の2010年で販売終了となりました。
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*07モデル
登場時のモデルです。このモデルのみ排ガス処理装置として提携先である日産ディーゼル製の尿素SCRシステムを採用しています。
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*10モデル
2010年のマイナーチェンジで登場したモデルです。ポスト新長期規制に適合し、ルーバーの位置が変更されました。
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*12モデル
2012年のマイナーチェンジで登場したモデルです。自動ブレーキ、ディスタンスウォーニング、ASR、ブレーキオーバーライドシステム、サイドビューカメラなどの安全装備を標準装備としました。

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*17モデル
2017年のマイナーチェンジで登場したモデルです。ポスト新長期規制に適合し、エンジンが13Lターボの6R10型から7.7Lの2ステージターボの6S10型に変更されました。
同時に組み合わされるトランスミッションSHIFT PILOTと呼称する8速AMTに、標準装備またはオプション設定されるリターダは永久磁石式から流体式に変更されています。
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*19モデル
2019年のマイナーチェンジで登場したモデルです。
フロントデザインが登場以来初めて、大掛かりな変更が施され、ヘッドランプ・フォグランプがLED化されたことにより新しいデザインとなり、ふそうの新デザインテーマである「ブラックベルト」に基づいた力強いものとなりました。
それ以前のモデルと区別すべく、俗に「令和顔」と呼ばれます。